田口

新潟から来た東京の大学2年生

ナンパ

一人称は僕にしようと思います。

友達といる時のナンパは至って簡単だ。

相手に嫌な顔をされて逃げられても、当然のようにフラれても、運良く連絡先を交換できても、僕が戻ってきた時には「お前すごいな笑、何やってんだよ笑」と、彼らは笑ってくれる。

僕の勇気と失敗は友達の笑い声へと昇華されるのだ。

だから、友達といる時の異性に話しかけるか否かみたいなアホな雰囲気の際に、僕はバカになれるのだ。

しかし、1人でいる時のそれはどうだろう。

友達といる時は、半分エンタメみたいなプラシーボ効果で1歩目を踏み出すことは容易だが、1人での1歩目は重たい。

なぜなら、失敗したら、その場では僕はただ女性にフラれただけの男になってしまうからだ。

お笑いにも消化されなかったそれは、帰り道の自分を十分に胃もたれさせる。

1人でナンパをしようとする時の1歩目は、皮のヴィンテージコートのように重たいのだ。

 

 

さあ、僕は今ファミレスに来ている。

どタイプの店員さんを目の当たりにし、僕の目線は仕方なくこの画面に逃げているのだ。

このままでは車の教習の時間が来てしまう。

早く1歩目を踏み出さなければ。

ヴィンテージのコートより、未来の自分に投資しろ